7月22日にイタリアのブッティオとカスティオンズ・ディ・ストラーダで開幕する第17回女子ソフトボールワールドカップグループCでは、東京2020オリンピックに出場した3チームが注目される。
日本(世界ランキング2位)は東京2020大会で金メダルを獲得し、カナダ(5位)は銅メダル、開催国のイタリア(8位)は6位に終わった。さらにこのグループでは22位のベネズエラ、26位のフィリピン、29位のニュージーランドが参加する。
日本
- WSWC出場: 16
- 最高成績: 優勝3回(1970年、2012年、2014年)
- 2018年の成績:2位
- 世界ランキング:2位
東京2020チャンピオンはグループBの優勝候補。22歳の左腕投手・後藤希友がチームのスターだ。
2022年のワールドゲームズでは日本はアメリカに次いで2位だった。
過去7回の決勝を戦い、今夏6度目のワールドカップを戦うレジェンド上野由岐子を中心に、2012年と2014年に連覇を達成したこのチームの目標は、2024年の勝利奪還を目指す。
カナダ
- WSWC出場: 16
- 最高成績: 2位(1978年)
- 2018年の成績:3位
- 世界ランキング:5位
オリンピックでは銅メダルに輝いたものの、カナダはワールドゲームズでは6位という残念な結果に終わった。オリンピックから続投するのは投手では誰もが認めるスターのサラ・グローネウェゲンのみ。グローネウェゲンはレジオネラ症に感染し10日間の医療的昏睡状態に置かれ2018年ワールドカップを欠場した。
守備選手で東京2020オリンピックに出場したのは、エマ・エンツミンガー、ラリッサ・フランクリン、ケルシー・ハーシュマン、ジャネット・レオン、エリカ・ポリドリ、ナタリー・ワイドマン。
イタリア
- WSWC出場: 13
- 最高成績: 5位(1990年)
- 2018年大会成績:7位
- 世界ランキング:8位
開催国のイタリアは世界ランキング通りの堅実な成績を残すチームではあるものの、得点力不足でステップアップが果たせずにいる。チームを率いるのは、世界で最も恐れられるスラッガーの一人、エリカ・ピアンカステッリ。
過去4回のワールドカップに出場し、ベスト8に進出したのは7位に終わった2018年千葉大会のみ。2024年7月15日から21日までブットリオとカスティオン・ディ・ストラーダで開催される決勝大会へは開催国としてすでに唯一出場権を得ている。
ベネズエラ
- WSWC出場: 9
- 最高成績: 5位(2010年)
- 2018年大会成績:12位
- 世界ランキング:22位
2008年北京大会のベテランのユルビー・アリカートは引退から復帰してパンアメリカン選手権でベネズエラを5位入賞に導いた。2010年のワールドカップでは自国開催で5位に終わったが、その後世界舞台で同じ成績を残せていない。
9回出場して8強入りしたのはこれまで4回、2016年大会は6位。前回の千葉ワールドカップでは、ベネズエラはボツワナ(8-0)とグループCのライバルであるニュージーランド(4-0)に勝ったが、2勝7敗の12位。
土曜日の中央アメリカ・カリブ海競技大会ではベネズエラは銅メダル決定戦でメキシコに3-0で敗れ4位に終わった。
フィリピン
- WSWC出場: 7
- 最高成績: 3位(1970年)
- 2018年大会成績:14位
- 世界ランキング:26位
フィリピンはアジアのソフトボール発展に大きく貢献、1970年にワールドカップ初出場でメダルを獲得した。1998年から2016年までワールドカップ出場不在だったがその後女子ソフトボールプログラムが復活した。
千葉2018では、グループAで南アフリカ(10-0)とオランダ(5-4)に勝ったが、2勝6敗で14位に終わった。
フィリピンはアジア・オセアニア・オリンピック予選2019で4位。イタリアで開催されたグループステージでは、ライバルのニュージーランドに8回コールド1-0で勝利し、スーパーラウンド進出を決めた。
ニュージーランド
- WSWC出場: 16
- 最高成績: 優勝1回(1982年)
- 2018年大会成績:13位
- 世界ランキング:29位
偉大なジーナ・ウェーバーが活躍した1978年から1990年まで女子ソフトボールの強豪国のひとつであったニュージーランドは、1990年のワールドカップで銀メダルを獲得した後から世界ランキングで順位を落とし始めていた。
ワールドカップ常連3カ国のうちのひとつであるニュージーランドは、2028年オリンピックの舞台復帰を目指す。パンデミック以前から国際試合に出場していなかったニュージーランドにとって今回のグループステージ出場は、国際試合における代表プログラム再建の試みと言えよう。
千葉2018での成績は、過去最悪のワールドカップ順位であるホワイトホース2012と同じ13位に終わった。