パベル・チャディムは、チェコ人初の欧州チームのスタッフとして一塁コーチを務める。
「チェコの野球界にとって、欧州チームの一員になれることは非常に名誉なことです。2015年のロースターにはチェコ人選手(ヤクブ・スラデク内野手)は一人しかいませんでした。今はコーチが1人いて、スタッフもさまざまなチェコ人選手を検討しています。チェコが高いレベルで通用することを示すためにベストを尽くしたいと思います」
また、「ヨーロッパの国々がひとつになることをとても誇りに思います。国際野球にはヨーロッパの野球が必要だと思います。野球はアジアやアメリカ大陸で強いですが、ヨーロッパも同じぐらい強くなる必要があります」と加えた。
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1971年にチェコのブルノで生まれたチャディムは、チェコ・エクストラリーガのスター外野手だった。テクニカ・ブルノでキャリアをスタートさせ、8度のペナント優勝に貢献した。2012年にU-21代表チームを率いた後、2021年には代表チームの監督に就任した。
チャディムはまた、昨年のワールドベースボールクラシックでチェコを率いた最初の監督となった。大会では日本のファンたちと特別なつながりを持った。
「私たちの目標は優勝だったんですが、そうですね、確かに日本で私たちはファンと特別な関係を築きました」
それはどういうことですか?
「日本の野球とチェコの野球は同じメンタリティを持っていると思います。お互いにハードな練習をし、対戦するチームを敬い、誰と対戦しても怯みません。日本のファンもそれを認めて、リスペクトしてくれたのだと思います」
チェコは予選ですでに劣勢と見られていたため、本戦に進出したことは大きな快挙だった。
「スポーツというのは、やるべきことをすべてやっても結果が出ないこともあれば、うまくいくこともあります。レーゲンスブルクでの予選では、私たちは懸命にプレーし、勇気を出し、チームワークもよかったと思います。時速90マイルを超える速球に対してもいい準備ができていましたし、投手陣もコンスタントにストライクを投げてくれました」
チェコ人監督としてチェコをワールドベースボールクラシックに導いた感想は?
「この質問には2つの答えがあります。一つ目は、ジム・ジョーンズ、ジェフ・サミュエルズ、スタン・ルケティッチ、リック・ジャック、アンディ・バーグランド、マイク・グリフィン、そして故ビル・ホルムバーグなど外国人コーチたちがチェコ野球を育ててくれたことです。2つ目の答えは、チェコのコーチたちはみんな、チェコが国際レベルで戦えることを強く示したがっていたということです。もちろん、フィールドの外でも多くの人がチェコ野球の成功のために貢献してくれました」
チェコは野球では比較的新しい国である。代表チームは1990年にイタリアのパルマで開催されたBプール・ヨーロッパ選手権で国際デビューを果たしたが、そのときの打線は左打者が多かった。その理由は選手の多くがホッケー選手から転向した体と言われている。
チャディムは、チェコの野球がその後どのように成長したかを説明した。「当時は量をこなしていました。10年後にはすべてのユースリーグをスタートさせ、7年前には、投手、捕手、打者の育成プロジェクトも始まりました。チェコ野球がここまで育ったのでは奇跡などではなく努力の賜物です」
しかし、このような改善にもかかわらず、チェコは現在WBSC/KONAMI男子野球世界ランキングで15位だ。そしてヨーロッパレベルでは初のメダルを狙っている。
「これがスポーツというものです。私が選手だった頃のヨーロッパ選手権では5位だったし、私が監督になった今も5位なんです。イギリスやイスラエルはアメリカで育成された選手を頼りにしていることも忘れてはなりません。私たちは5位が好きなわけではありません。最低でも3位を目指したいですね」
「準々決勝でイギリスに負けたことは昨年も残念でしたが、彼らは素晴らしいチームでした。ハリー・フォードとニック・ウォードの上位打者にはやられたし、リリーバーのジョセフ・キングは素晴らしい投球でした。先発のジェイコブ・エッシュ(元MLB選手)には12本のヒットを打たれましたし、彼らはダブルプレーを3回も成功させました。次はメダルを獲るつもりでしょう」
「侍ジャパンシリーズ2024 日本 vs 欧州代表」に期待することはなんですか?
「日本との対戦はいつもお祭り騒ぎで、楽しみです。大阪でファンが素晴らしい野球を楽しんでくれることを願っています」
コーチングスタッフ同士の相性はどうですか?対戦相手としてお互いを知っていると思いますが。
「コミュニケーションはとれています。ズーム・ミーティングは何度もやったし、日本に行く前にも何度もやるでしょう。みんな素晴らしいコーチで優れたチームを作ってきた人ばかりです。彼らのチームのプレーを見れば、すぐにコーチを尊敬するでしょう。チームはコーチの鏡です。マッツィエリとはオーストリア大会に参加し、チェコでのマウンテン・ベースボール・クリニックの経験も分かち合いました。彼とまた仕事ができることを楽しみにしています」