カナダのサンダーベイにあるポートアーサースタジアムで開催中のカーネクスト presents WBSC女子野球ワールドカップファイナル2024の2日目を終え、世界ランキング1位の日本と4位のアメリカが唯一の無敗チームとなった。
日本は6回に3-0から同点に追いつかれ、8回表に2つのエラーを活かして勝ち越し7-6で7位カナダを下した。日本は、2012年WBSC女子野球ワールドカップ・エドモントン大会プール戦でアメリカに5-2で敗れて以来37試合連勝の記録を、攻守ともに堅実なパフォーマンスで維持している。
アメリカは、13安打を放ち6回コールドで5位メキシコに 11-1 で快勝。チームの総合力で無敗の地位を確保した。
世界3位ベネズエラは、試合のわずか数時間前にサンダーベイに到着した選手たちとともに、堅実なピッチングで2位チャイニーズ・タイペイを3-0 で下し、この日のサプライズとなった。二刀流の天才、フランデリス・ガルシアは2.2イニングを見事なリリーフで投げた。
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日本-カナダ 7-6
世界ランキング1位の日本がカナダを劇的な8回延長で制した。前大会王者の日本は6回まで 3-0でリードしていたが、6回裏に追いつかれて延長戦にもつれ込んだ。延長の8回表には4点を入れるスリリングな展開となり、カナダも追い上げたが逆転できなかった。
カナダ先発はレイン・パドガム、日本は清水美佑。
1回表、日本が早々に先制リード。三浦伊織が四球で出塁し、白石美優と川端友紀の連打で生還し、日本が先制した。カナダのキャッチャー、ケイトリン・ロスの助けを得て最初のアウトを取ると、パドガムは残りの2打者を凡退させた。
4回表、中村柚葉の左中間への深いタイムリー二塁打で日本は1点を追加。さらに岩見香枝の右中間へのフライをカナダの中堅手セーナ・キャタロールが見事なダイビング・キャッチで失点を防いだ。
5回表、フルカウントいっぱいの生井美桜の打席で、左投げのギルダーが登板。生井はこのギルダーを初球で迎えたがフライに終わった。
6回表、日本がさらにリード。牽制ミスとゴロ、岩見香枝のスクイズで1点を加えた。只埜榛奈と三浦伊織のヒットで満塁。
このピンチでカナダはブルペンから右腕のソフィー・ガニュを救援に立たせ、ピンチヒッターの長田朱也香のゴロを処理してダブルプレーに仕留めた。
清水がルーシー・アンティルに死球を与えて降板し、日本はリリーフの泰美勝を救援に立たせる。左腕の泰はテス・ソーキンスをセカンドゴロに打ち取り、この回を切り抜けた。
6回裏、カナダが同点に追いつく。1点目は満塁からの四球押し出し。さらにゾーイ・ヒックスが2ランを放ち、カナダが日本に並んだ。
清水がアンティルに死球で日本は泰美勝に投手交代。泰はテス・ソーキンスを二ゴロに仕留めた。
両チームとも7回は無得点のまま延長に突入。
8回表、日本が勝ち越す。タイブレークの先頭ランナー楢岡美和が2つの送球エラーを活かして得点。満塁から只埜榛奈がツーランタイムリーを放つ。さらにカナダはダブルプレーに失敗し満塁のピンチのままとなり、川端のゴロで只埜が生還してこの回4点目を入れた。
カナダはエイミー・ジョンソンをブルペンから呼び出し、この回を切り抜けた。
8回裏、先頭のアレクサン・フルニエがセンターへのタイムリー2塁打と二つのゴロアウトでカナダは7-6 まで追い上げた。しかし、泰がルーシー・アンティルを3球で仕留めて終わらせ、日本の勝利が決まった。
アメリカ-メキシコ 11-1
世界4位のアメリカがメキシコを6回コールドで破り、2勝0敗とした。投手陣はケルシー・ウィットモアとジェイミー・ボームが相手を2安打に抑え、打線は13安打の活躍。レミ・シャーバーが4打数3安打3打点をマークした。
アメリカの先発はケルシー・ウィットモア、メキシコはフロール・バレリオ。
1回表、メキシコは2四球とエラーで満塁のチャンス。しかしウィットモアが三振に仕留めてアメリカをピンチから救った。
1回裏、アメリカが先制。アレックス・ヒューゴが死球、ボーク、暴投で3塁まで進み、ナオミ・ライアンのタイムリーで得点した。
3回裏、アメリカが3-0のリードに成功。ユーゴが四球、暴投、一死でオリビア・ピカルドの安打で3塁に到達すると、レミ・シャバーのタイムリーで生還し、アメリカはリードを2-0に広げた。ジリアン・アルバヤティは四球で出塁、二死でアンナ・キンブレルが浅い左中間へ放ったポップフライが2点タイムリーとなった。
4回表、メキシコが初得点。ダニ・レアルがワンアウトからセンター深くに2塁打を放ち、マルセラ・ディアスのタイムリーで得点した。
4回裏、アメリカはリードを7-1に広げた。二死からアシュトン・ランスデルがシャバーのタイムリーで得点。
メキシコはマリア・バレンズエラを右翼から投手にリリーフ交代。バレリア・ロドリゲスが右翼に入った。しかし、アメリカのバレリー・ペレスがカウント3-1から中前2点適時打を放った。
5回表、ジェイミー・バウムがウィットモアのリリーフに立つ。
6回裏、アメリカは4ランを放ち、コールド勝利を決めた。シャバーがメキシコの3番手投手ダフネ・メヒアから2ランを放ち、アルバヤティの犠牲フライで10点目をいれ、暴投で1点を加えて試合が終わった。
ベネズエラ-チャイニーズタイペイ 3-0
試合序盤に両チームは幾度か得点チャンスを逸したが、5回に世界3位のベネズエラが3ランを入れて、2位のチャイニーズ・タイペイを下した。二刀流のスーパースター、フランデリス・ガルシアが2.2イニングを見事に投げ切り、勝利を決定づけた。
ベネズエラはアンジェリカ・レデスマが先発し、チャイニーズ・タイペイはチン・ファンにボールを託した。
1回表、チャイニーズ・タイペイは大きな得点機を逃した。2人の走者を背負い、レデスマがペイ・チェン・ホアンを空振り三振に仕留めた。
1回裏、ベネズエラも得点のチャンスを逸した。ペイ・チェン・フアンが遊ゴロ、フライで凡退させた。
3回表、キンバリー・カイセドはChiao-Yun Huangのフライを仕留め、3回表を終えた。
4回裏、ベネズエラは2安打とエラーで2アウト満塁。シュリシュナ・アルシニエガはファーストへのライナーが一塁で刺されておわった。
5回裏、ベネズエラが勝ち越しを決め均衡を破る。マリアナ・バルデスが安打、盗塁、暴投で三塁まで進んだ。ミグリー・アングロが送りバントを決め、送球エラーでバルデスが先制点を挙げた。
そのままベネズエラはリードを広げる。ルクレイレス・トバーがトゥーの4球目を捉えて安打、アングロの送球がバウンドして左翼手を越え、ベネズエラは得点に成功。さらにアングーロはこのプレーで3塁に進み、マリアナ・ナテラの犠牲フライで得点を重ねた。
7回表、チャイニーズ・タイペイは、先頭のYi-Hsuan Chiu がヒットで出塁。ガルシアは後続を凡退させ、最後はストライクで2アウトをとって試合終了した。
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